- 化粧品成分の詳細
- 化粧品成分の実践的な覚え方
前回は対策テキストを読んだ感想と、検定の申込みまでお伝えしました。
いよいよここからが勉強本番です。
日々の積み重ねを成果につなげていきたいですね。

とにかく化粧品の成分を覚えないと!
ということで、今回は試験対策の一貫として、大事であろう化粧品成分のまとめと私が実践している勉強法をお伝えします。
- エステサロンで15年勤務
- AEA上級認定エステティシャン
- スキンケアマイスター
日本化粧品検定の資格取得に限らず、この勉強法は日常でも役に立つとおもいますのでよろしかったら参考にしてください。
化粧品の原料について
まずは化粧品を構成している「基本成分」について覚え辛そうなところを中心にまとめます。


水に溶ける「水溶性成分」
化粧品の基本となる水に溶ける成分です。
複数組み合わせたり油性成分と組み合わせることで効果を発揮します。
<液状成分>
エタノール | 肌を引き締める・溶剤 |
BG(ブチレングリコール) ペンチレングリコール | 保湿・防腐・溶剤 |
DPG (ジプロピレングリコール) | 保湿・溶剤 |
グリセリン | 保湿・感触調整(高機能) |



液状成分は、化粧水からクリームなどの化粧品に配合されてます。
肌へのなじみをよくしたり、感触を調整するためにも用いられます。
<粉状成分>
ベタイン PCA-Na(NMF成分) | 保湿・感覚調整 |
ヒアルロン酸Na | 保湿・吸湿 |
カルボマー カラギーナン | 増粘 (安定化・感覚調整) |



粉状成分は、乳化安定、感触調整、使用性向上という目的で使われます。
油に溶ける「油性成分」
こちらも化粧品を形成する基本成分の一つです。
<液状油性成分(オイル)>
合成 | トリエチルヘキサノイン ジメチコン エチルヘキサン酸セチル |
鉱物 | ミネラルオイル(石油由来) |
天然 | スクワラン ホホバ油 |



液状の油性成分は、水分保持やメイク落とすためになじみを良くする効果があります。
<半固形油性成分(ペースト)>
合成 | ヒドロキシステアリン酸コレステリル ラウロイルグルタミン酸ジ (フィトステリル/オクチルドデシル) |
鉱物 | ワセリン(石油由来) |
天然 | シア脂、カカオ脂、水添植物脂 |



半固形の油性成分は、乳液状で浸透性がありエモリエント感があるような使用感をつくります。
<固形油性成分(ワックス)>
合成 | ポリエチレン 合成ワックス |
鉱物 | パラフィン(石油由来) マイクロクリスタリンワックス(石油由来) |
天然 | ミツロウ(ミツバチの巣由来) キャンデリラロウ |



固形の油性成分は、クリーム状で保護膜をつくります。
乳化や洗浄に使われる「界面活性剤」
界面活性剤は水と油をなじませる働きをする成分です。
界面活性剤はひとつの分子に
- 油になじみやすい部分(親油基または疎水基)
- 水になじみやすい部分(親水基または疎油基)
といった両方の部分をもっています。
この性質を利用することで、以下のような形状を保つことができます。
O/W型(オイルinウォーター) | 水の中に油が分散した状態 | 乳液やクームなど |
W/O型(ウォーターinオイル) | 油の中に水が分散した状態 | ウォータープルーフの日焼け止めなど |



牛乳かバター、みたいなイメージだね。
また、界面活性剤はイオン性と非イオン性の成分に分かれます。
<イオン性成分>
タイプ | 主用途 | 成分例 | 刺激 |
---|---|---|---|
アニオン型(陰イオン) | 洗浄・可溶化・乳化助剤 石けん シャンプー 洗顔料など | 高級脂肪酸石けん ラウリル硫酸ナトリウム ラウレス硫酸ナトリウム N-アシルアミノ酸塩 アルキル硫酸エステル塩など | 比較的弱い |
カチオン型(陽イオン) | 柔軟・帯電防止・殺菌 トリートメント コンディショナー リンス制汗剤など | ベンザルコニウムクロリド ベヘントリモニウムクロリド 塩化アルキルトリメチルアンモニウムなど | やや強い |
両性イオン(アンホ)型 | 洗浄・乳化助剤 ベビー用 高級シャンプー・リンスなど | コカミドプロピルベタイン アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなど | 弱い |
<非イオン性成分>
タイプ | 主用途 | 成分例 | 刺激 |
---|---|---|---|
ノニオン型(非イオン) | 乳化・可溶化 化粧水・クリームを中心 に多くの化粧品に使われる | ステアリン酸グリセル PEG-60水添ヒマシ油など | とても弱い |
品質の保持を目的とした「増粘剤」「pH調整剤」「キレート剤」「防腐剤」
<主な増粘剤>
成分例 | 効果 | 主な用途 |
---|---|---|
カルボマー キサンタンガム ヒドロキシエチルセルロース | 増粘・ゲル化 | 乳液 美容液 ジェル ボディソープ |
ヒアルロン酸Na コラーゲン | 保湿 | スキンケア製品 |
ポリクオタニウム-7 ポリクオタニウム-10 | 感触向上 | シャンプー ボディソープ |
ポリビニルアルコール(PVA) (ビニルピロリドン/VA)コポリマー | 皮膜形成 | パック剤 ヘアスタイリング剤 メイクアップ化粧品 |
ポリエチレン粉末 ナイロン粉末 | 感触調整 | ファンデーション |
増粘剤は小さい分子が鎖のようにつながって大きな分子をつくるポリマー(高分子)が主に使用されます。
<pH調整剤>
特徴 | 成分 |
---|---|
酸性に傾ける成分 | クエン酸 リン酸 乳酸 など |
アルカリ性に傾ける成分 | 水酸化ナトリウム 水酸化カリウム アルギニン など |
pH調整剤は化粧品のpH(ペーハー)を調整する成分です。
<キレート剤>
特徴 | 成分 |
---|---|
金属イオンによる劣化を防ぐ | EDTA(エデト酸) クエン酸 エチドロン酸 など |
キレート剤は金属イオンと強く結びつき、金属イオンが原因で発生する酸化による劣化を防ぎます。
<防腐剤>
特徴 | 成分 |
---|---|
長期間安定した品質を保持 | パラベン フェノキシエタノール 安息香酸塩 ヒノキチオール(殺菌作用) など |
パラベンには種類があって以下は抗菌力の高い順です。
- ブチルパラベン
- プロピルパラベン
- エチルパラベン
- メチルパラベン
最近では、BGやペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリンなどの防腐(静菌)効果を持つ保湿剤と組み合わせて使うことでパラベン自体の配合量は少なくなってきています。



ほとんどの商品に、防腐効果がある成分が含まれています!
パラベンフリーと言われている商品も防腐剤自体が入っていないわけでなく、実際には品質を保持するために他の防腐剤を何種類も組合わせて配合されいるケースがほとんどです。
肌をキレイに見せたり輝きを演出する「着色剤」
メイクアップ化粧品に使われる原料で、主に顔料とよばれます。
顔料は水や油に溶けず、粉砕して微粒子の粉末顔料にして配合します。粉体自体は大きく肌が色に染まってしまうことはありません。
一方、染料は水や油に溶け鮮やかに発色するのが特徴ですが、なかには角層に着色する色素もあります。
<無機顔料>
体質顔料 | タルク、マイカ、セリサイト、カオリン シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム など |
着色顔料 | 酸化鉄(ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄) 群青 など |
白色顔料 | 酸化チタン、酸化亜鉛 など |
真珠光沢顔料 | 魚鱗泊(パール剤)、オキシ塩化ビスマス 雲母チタン、酸化チタン被覆マイカ など |
<有機合成色素>
染料 | 黄色5号、赤色213号、赤色223号 など |
有機顔料 | 赤色228号、赤色226号、青色404号 など |
<天然色素>
天然色素 | β-カロチン、クチナシ青、ベニバナ赤(カルサミン) クロロフィル、クルクミン など |
化粧品成分は実践で覚える
化粧品のおもな構成成分は、訴求成分、基本成分、品質保持成分の3つに分かれていますが、実際普段使っているものには、どのような成分が入っているのか確認してみたいと思います。
こちらは、私が普段愛用しているオルビスミスターの洗顔料。


全成分表はこちら。


はい、成分をすべて覚えるのは無理がりますね。
でもまずは・・・



グリセリンやBGが入っていて、エタノール表記がないから保湿力があってツッパらなそうだな・・・
とか、



~ベタインとあるから、刺激が弱い両性界面活性剤を使っているな・・・
とか、



PEG-9Mってたまに見かけるけどどんな成分?
調べてみると・・



乳化安定や増粘剤の効果か。
泡立ちを良くする成分としても使われるんだね。
このように商品の成分をみて、時には調べるという習慣をつけていってるところです。
だいたいの構成パターンもみえてきて、最終的には調べずとも成分をみれば何となく効果が分かるようになりたいですね。
資格試験に合格するのも目標ですが、パッケージをみて自分好みの商品か判断できることがもう一つの目標でありゴールではないでしょうか。
まとめ
今回は、覚えることが特に多そうな化粧品成分についてと、私が実践している勉強方法の一つをお伝えしました。
化粧品成分は、調べるとわかりますが対策テキストに出てくる成分はほんの一部にすぎません。
ですが、それを覚える事自体も正直大変です。
なのでちょっとひと工夫をして、自分なりの覚え方を実践してみました。
普段使っているもののことが成分単位で分かるとちょっと楽しさも感じます。
次回は、さらに美容の知識として覚えなければならない、髪や爪、メイクなどについてまとめていきたいと思います。
最後までありがとうございました。

